米由来のバイオマスプラスチックを使った「バイオマスシリーズ」の商品(右)=2024年6月17日、愛媛県伊予市、神谷毅撮影
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 歯ブラシなどのホテル用品を販売する山陽物産(愛媛県伊予市)を核とするSANYOホールディングス(同)が、「脱プラスチック」を積極的に進めている。食用に適さない米を原料に使っており、最近は「資源米」の生産に自ら乗り出した。

 ホテル用の歯ブラシを年間約8200万本作り、全国シェアは約17%。カミソリやヘアブラシ、客室のお茶からゴミ袋まで様々な商品を扱う。

 北海道から沖縄まで各地のホテルに納め、ホテル用品の全国シェアは20%近くになる。

 代表の武内英治さん(57)が幼いころ、父親は自宅隣の小さな工場で「玉のれん」を作っていた。家族経営でパートが6人。インテリアの好みが変わるなどして玉のれんの需要が激減したため、1981年にホテル用の歯ブラシの製造を始めた。

売上高5千万円から50億円に

 武内さんは地元の高校を卒業後、父親の会社に就職。資材の調達などで苦労したが、80年代後半になると、バブル経済を受けて全国各地で建設が進んだホテル向けの納入が増えていった。

 歯ブラシを作る中小零細企業…

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